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飲酒日記

スキー&スノーボード2004-2005

電波日記。

今日は会社を休んでみた。
会社に行きたくないとかそんなヘタレな理由じゃない。
俺は、自分を鍛えるために休むんだ。いやマジで。

午前9時5分、俺の携帯に電話がかかってきた。
理由は簡単だ。
俺の部屋の固定電話はインターネッツ専用回線だから
通話とかダセェ目的には使わねえからだ。

話がそれたが、めったに鳴らねえ俺の携帯がブルブルしだすと
俺の心臓はもうバクバクだ。休みの連絡くらい入れたほうが良かったか、
などと気弱なことを考えそうになる自分をぐっと抑える。

25回のコールのあと、ふっと携帯が止む。
勝った。何よりも、自分自身に対してだ。

ひと山超えた俺は、安堵感から少し眠くなったが、
ここで寝ちまうとヒキコモリと誤解されかねない。
そこで俺は、ドリキャスの電源を入れると、
いまだに孤高の鬼育てを続けているPSOをはじめる。
もちろん、パーティ組むとかそんなヘタレなことはしねえ。
onでもoffでも、俺は自分を鍛えることにしか興味がねえんだ。
決して一緒にやる友達がいないからじゃねえ。

軽く2時間ほど自分を高めると、ぼちぼち腹が減ってきた。
午前11時。
ブランチにうってつけのナイス時間だ。
おっとその前に軽くメールでもチェックしとくか。
ピポパピポペペ
イカしたダイアルアプ音に続いてコネクション。
12通受信してる。11通はワケの分からん外人からのエロメールだ。
すかさず「俺は英語だ読めねえって何回言ったわからこのヴォケ」
と返信する。あと1通はめずらしく日本人からだ。

差出人:会社
件名:至急連絡下さい

クソッ、なんてこった。
メールの中身を読もうとするが、指が震えてうまくクリックできねえ。
ずれるたびに、上下に並んだ外人エロメールが開いてウザいことこの上ない。
クソッ! こんなところで俺は負けるわけにはいかねえ。いかねえんだ。

やっと開いたメールの文面はこうだ。

○○さん(←俺の名前だ)
大丈夫ですか、何か事故でもあったのですか?
もし可能なら至急ご連絡ください。
それから、10時頃××さん(←クライアントの名前だ)から、
本日検収予定の△△の件でお問い合わせがありました。


そうだ…△△の件てスッカリ忘れてたじゃねえか俺どうすんだ俺。

足が震えてションベンが漏れそうになってくる。試験終了寸前に解答用紙
真っ白の時みたいに最悪の気分だ。書こうとするとエンピツの芯が
ポキポキ折れるあの感じだ。

この逆境で俺は考えた。信じられないほど頭はフル回転だ。
今から泡食って連絡入れんのは敗北だろブラザー?

よし。気がつかなかったことにしておこう。
そういう状況ならメールが読めなくてもしょうがないだろ。
携帯も電波が届かなかった。
届かなかったんだ。
我ながらスゲエアイデアだ。
でもなんで読めなかったってんだ俺?

…事故だ。
メールに事故と書いてあるがそれがいい。それでいいッ。
どんな事故がいいか。出社したときに怪我はしてないが、
とにかく大変だったと思えるような奴がいい。
電車にでも轢かれるか。
いやダメだ。死ぬだろそれは普通に。
車ぶつけるとかか。いや俺そもそも車もってねえし。
だいたいなんで今日車乗ってたって言うんだ。
理由がねえよ。レンタカー借りてましたとか言ってる場合じゃねえ。

そんなこと考えてるうちに12時だ。
ウダウダしててもラチがあかねえ。まずはメシだ。
昔の奴は言った。腹が減ってはなんとかかんとか。
細かいところは忘れたが、いい事言うよな昔の奴。誰だかしらねえけど。
あれだ、矢が3本でどうとか言った奴じゃなかったか。

俺もそいつにならってまずはメシを食うことにした。
いいか、こいつは断じて逃げじゃねえ。戦う前の心構えひとつってやつだ。
おもむろに冷蔵庫をあさる俺。

バナナと、牛乳と、ブルーチーズがある。
…ブルーチーズなんか買った覚えねえな。
まあいい。俺はこいつもわりと嫌いじゃないからな。
あとは近所のパン屋でもらったパンの耳があったハズだ。
こいつらを混ぜ合わせてブディングと洒落込む俺。
いいか、そんじょそこらの奴の言ってる庶民ブリンじゃねえ。
本場英国流のpuddingって奴だ。

砂糖をたっぷりとブチ込んで蒸す。いいか、ここでタップリ入れるのがコツだ。
ここでケチるようじゃ二流。待つこと15分。取り出してみる。

…なんで固まってねえんだ。
クソッ! 食い物まで俺を馬鹿にしやがって。何かが足りねえのか?
まあいい。
俺は出来上がったそのブディングを必死こいて吹き冷ましながら食った。
はっきりいってマズい。激マズだ。
マズいというかむしろ食えたもんじゃなかったが残すのは敗北だから
全部食ってやった。ケッ。ざまあみろ。
庶民ブリンの分際で俺に楯突きやがって。

腹が満たされると俺は優雅なキモチになった。
金持ち喧嘩せず。衣食足りてケイセツを知る。
さまざまな教養ワードが俺の脳内をかけめぐった。
ところでケイセツて何だ。

気がつくと午後1時20分。おだやかなまどろみが俺を襲う。
ここはひとつシエスタと洒落込むか。
なんか忘れてる気もするが、そんな小さなことを気にするほど
俺は小さい人間じゃない。
まわりの風景がぐにゃぐにゃする。いい感じだ。

…。

午後8時28分。
たっぷり眠って目が覚めた俺は、満ち足りた気分で今日一日を振り返る。
今日も一日自分を鍛え続けた。
問題なしだ。

明日もガンガン生きるぞ。
そう思いつつ俺はドリキャスの電源を入れ、なおも自分自身を高め続けるのだった。
by tatsuki-s | 2004-06-30 01:07 | Anecdote/Pun(小噺・ネタ)
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